あなたは「外資系=高給&自由な社風」と思っていませんか?
しかし実際に働いてみると、表には見えない“意外なギャップ”が存在します。
本記事では、私自身が外資企業から日系金融企業へ転職したリアルなプロセスを通じて、転職のポイントや落とし穴を余すところなくお届けします。
とくに外資系企業から日系企業への転職を検討するにあたっては、成功事例や情報が少なく不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事はこれからキャリアチェンジを考える20~30代の方に向けた記事となります。ぜひ最後までご覧ください。
はじめに
多くの転職ノウハウ記事は“理論”に偏りがちですが、本記事は著者の実体験ベース。
外資系企業から日系企業の金融業界という珍しいキャリアパスを紹介することで、同じ境遇のあなたに“具体的なイメージ”を提供します。
本記事のゴール設定
法人営業スキルを活かし、日系大手企業へ転職する具体的ステップを理解する
- 想定読者:
- 法人営業経験者でキャリアチェンジを検討中の20~30代
- 外資系→日系・他業界への転職を真剣に考えている方
- ビズリーチ等のスカウト型転職サイトを使いこなしたい人
【転職前に知りたい】外資系企業と日系企業の違い

まずは外資系企業と日系企業へ転職するにあたり、両者の違いを確認しましょう。
外資系と日系の主な違いは以下の通りです。
外資系企業の特徴について
外資系企業は成果主義の風潮が強く、実力を発揮することができれば早い段階で昇進・昇給できるのが特徴です。
年齢や性別、勤務年数を問わずに昇進できるチャンスがあるため、自分の実績や努力を評価してくれる環境で働きたい人にとってメリットが大きいと言えます。
ただし、四半期ごとに結果を求められる(厳しいKPIが存在する)ため、常に成果に対するプレッシャーを感じるでしょう。
言わずもがなですが、成果を上げられなかった場合は社内評価が下がり、最悪の場合には給与の減額・解雇の可能性もあるなど、雇用の不安定さがデメリットです。
長期にわたってよい成果を出すためには、部署内で常に良い顧客を担当したり、前任担当のお土産(将来案件)をうまく活用する必要があります。
また、外資系は個人が裁量をもって業務に取り組むことができ、意思決定をスピーディーに行う特徴があります。
外資系企業で働くには、早めに結論を下す姿勢(いわゆる自己判断)が不可欠です。
日系企業の特徴について
日系企業は年功序列の風土が根付いており、短期間での昇進・昇格が難しい傾向があります。
わたしの現職も「現役職が5年以上かつ人事評価平均が一定以上など」の評価基準が存在し、短期間で昇格するのはよほどのことがない限りは起きません。
外資系企業との違いとしては年齢に比例して、ゆるやかに賃金やポジションが上がっていきます。また、「実力が出せないから解雇される」といった心配は、外資系に比べて極めて少ないと言えます。
なかには「結果を出してもそれが評価されない」と物足りなさを感じる人がいるかもしれません。
しかし、日系企業は外資系と比べて雇用が安定しています。
外資系企業と違って意思決定はチームでの意思決定が尊重される傾向にあります。一つひとつの何事に対して慎重に決断していくことが多いので、じっくりと業務が進められます。
スピード重視で変化の激しい外資系とは異なり、腰を据えて業務に取り組めるでしょう。
外資系から日系へ転職するメリット

前述の特徴に基づいて外資系企業から日系企業へ転職するメリットをご紹介します。
- 安定雇用と福利厚生
- 外資系出身を強みに活動できる
- 良好な人間関係を築くことができる
安定雇用と福利厚生
日系企業は、年功序列で昇進・昇給し、外資系より解雇されるリスクが低いため、安定しているメリットがあります。
外資系は基本給とインセンティブ給のシンプルな給与体系のことが多く、他人との競争も厳しい側面がありますが、日系企業は疲弊するほどの競争をしなくても長く勤務していれば昇給できる可能性が高いと言えます。
また、日系企業は、基本給に加えて通勤手当、住宅手当、勤続手当など各種手当も充実しています。
将来見通しが立つ分、住宅や自家用車など高額なものの購入や、教育資金、老後資金などの計画をしやすいメリットがあります。
外資系出身を強みに活動できる
外資系企業は日本で事業を行うだけあって、日本以外の各国でもビジネスを営んでいるケースがほとんどです。
そのため、日本の超大企業と同等の知名度を有していることが多く、前職(外資系企業)で学んだマーケティングやツール活用など、様々な部署からアドバイスを求められることも多くなるでしょう。
もちろん、スキルや技術力が高ければ高い評価を得やすいですが、担当部門以外の仕事を任せられることが多いです。
外資系企業でマルチな業務経験を積んだ人にとっては、転職後も多方面で活躍できる大きなチャンスとなります。
良好な人間関係を築くことができる
外資系企業は、中途採用(キャリア採用)の社員が大半を占める職場環境であることが往々にしてあります。
そのため、新入社員を育てるということに対しては不慣れなことも多い印象があります。
✅【調査データ】
エンワールド・ジャパン(東京・中央)の調査によると、職場に不満と答えた人のうち、その理由に「人間関係がよくない」と回答した人は外資系企業で35%、日系企業で28%でした。
(ソース元:https://career.nikkei.com/nikkei-pickup/003157/)
外資系は華やかなイメージがある一方でミスマッチも生じやすいです。
また、四半期ごとの成果主義というのも人間関係の殺伐とした雰囲気に感じさせているのかもしれません。
そうした意味では日系企業のほうが温厚な人間関係を築くことができるでしょう。
わたしが転職を決意した理由

続いて、わたしが外資系企業から日系企業への転職を決意した背景をご紹介します。
ライフイベント(結婚・将来設計)が与えた影響
2023年に当時の彼女と結婚することになり、わたしは結婚を機に家計を支える責任感が一層強まりました。
とくに妊娠や出産、そのほかのイベントなどで妻が働けなくなった場合、わたしが一人で家計を支える必要があります。
単純に収入だけへフォーカスするなら外資系企業のほうが利があると考えていましたが、業績や目標に対してはかなりシビアに評価されます。
また、担当顧客やエリアに対して目標未達が続けば、ある日解雇されるというリスクが常に存在します。
こうした変化から従来通りの働き方を根本的に見直すことになり、わたしは中長期で心身ともに安心して働くことができる日系企業を選択することにしました。
前職で感じたキャリアの限界と課題
当時のわたしは若手ながら法人営業として確かな手ごたえを得た一方、次のような課題を感じていました。
- 成果重視の文化
四半期ごとに厳しいKPIが設定され、長期的な顧客担当が難しい。 - スキルとマネジメント
プロフェッショナルを目指すという意味では長く居続けることができますが、組織全体の統率などマネジメントに関われる可能性は低い。
とくに悩ましかったのは「自分のキャリアの天井」を意識し始めたことです。
外資系の環境では個人として実績を積むことは歓迎されますが、ある時点から組織マネジメントに携わる道が狭く感じました。
また、KPIの達成を常に意識する必要がある(日系企業でも必要ですが…)がゆえに、長期的な信頼構築より短期成果が重視される場面が多く、本質的な顧客貢献が難しいというジレンマもありました。
「このまま成果だけを追い続けるのか?」「キャリアの幅は広がるのか?」と自問する日々が増えており、そうした背景から転職活動を行うことを決意し、実際に日系企業への転職を志すことにしました。
内定獲得までの具体的なSTEP
わたしが転職活動を始めることを決意してから取り組んできた具体的なステップは以下の通りです。
わたしが活用した転職サイトはハイクラス転職でおなじみ「ビズリーチ」です。
転職方法は大きく3つに分かれます。
- 転職サイト(求人情報サイト)
- エージェント(人材紹介サイト)
- スカウトサービス
ビズリーチは上記3つの要素をあわせ持っており、その中でもスカウトサービスの側面に強みがあります。
ハイクラス転職を裏付けする理由としては、年収1,000万円以上の求人が3分の1以上(※2023年10月末時点)かつ、事前審査制のヘッドハンターが8,400人以上(※2025年1月末時点)在籍し、厳選された求人が多いことが挙げられます。
転職活動を成功させる秘訣は、言わずもがな「プロフィール作成」に他ならないです。
企業の採用担当者は数ある職務経歴書や職務要約を閲覧し、その候補者の中から「プラチナスカウト」を送る先を選定しています。
そのため、転職希望者にとってプロフィール作成は、「冒険の装備」を整えることと同義です。
企業側はキーワード検索することもあるため、就職を検討したい業種に合わせた専門用語などを入れておくと良いかもしれません。
企業からスカウトが届いたら、まずは日程調整を行いましょう。
最近はカジュアル面談と称した一次面接もあるようですが、事前に採用担当者とその点のすり合わせができていなかったことによるミスマッチだと考えています。
せっかく現場社員と会話できる機会をいただくのですから、その時間内で成し遂げたいゴール設定はきちんと考えておきましょう。
わたしの場合は一次面接前に現場社員との面談を2回ほど行いました。
外資系企業から日系企業への転職は、前述の通りギャップが生じやすく、社内の雰囲気やカルチャーがマッチするかは最終判断で大きな要素となるでしょう。
第1回は部長以上クラスとの面談をセットされたのですが、知りたいのは現場情報(事務職)です。すぐに現場社員(同年代または同年代より少し目上の方)との打ち合わせを依頼しました。
最終面接は採用企業によって大きく異なりますが、現場管理職または経営層(役員クラス)というパターンが多いのではないでしょうか。
STEP3~4の間で事前に現場情報を適切に収集できていれば、管理職以上の質問に対しても問題なく対処できます。焦らずに落ち着いて話しましょう。
日系企業の転職面談はかなりカジュアルな印象で採用までのスピードも早いです。
あなたが希望先から内定を獲得できたなら、あとは「承諾」の返事をするだけです。
ただし、中途採用は新卒採用と比べて返答期限が非常に短いことは覚えておきましょう。
わたしの経験上は2週間程度でお返事を出してほしいといわれるケースが多かったです。
内定承諾時に入社時期の最終確定を迫られることもあるため、内定獲得ができたら速やかに現職の退職手続きを取る必要があります。
退職に伴って有給休暇の消費を必須とする企業も多いので、退職手続きにあわせて入社時期などを考えながら採用担当者とすり合わせしていきましょう。
内定獲得後の振り返り
内定を獲得したときは正直ホッとしましたが、次に重要だったのは「その企業で本当に自分が幸せになれるのか?」という問いでした。
外資系から日系に転職する際に生じるであろうギャップは小さくなく、単なる条件面では測れない「カルチャー」や「働き方の価値観」が非常に重要です。
また、内定先の同僚からのリアルな声や現場社員が会社評価を行っているサイト「OpenWork」などの意見も再確認し、冷静にリスクとリターンを見極めました。
内定を獲得してから承諾に至るまで実に半年間。
今振り返ると、この冷静さが納得感ある転職につながったと思います。
※転職活動における内定承諾は、内定獲得後の数週間以内で回答を求められることがほとんど。
わたしの体験談としては、内定獲得から半年間もお時間を頂けたのですが、それ自体が珍しいということは明記しておきます。
以上、わたしの転職体験談になります。
少しでも参考になればうれしいです。
外資系企業から日系企業へ転職する際の注意点
まず、最も大きなギャップは「スピード感の違い」です。外資系では数日で決まる案件も、日系企業では複数部門の承認が必要で、数週間かかることも珍しくありません。
また、評価基準も異なり、単純な成果に対する評価よりも「プロセス」が重視されます。
無理に自己流を通すと社内で摩擦が生まれやすいため、転職後はまず「観察」と「受容」を意識することが大切です。
さらに社内ルールの多さも驚くポイントです。
経費精算や見積提出に対する社内申請など、なぜそこまで複雑(細かいルールを作ったのか)なのか疑問に思うこともありますが、ルールが非常に細かいため、慣れるまでは戸惑うこともあるでしょう。
外資系企業からの転職を成功させるポイント
- 情報収集を徹底:求人票を見るだけでは不十分です。
カジュアル面談を積極的に活用し、「リアルな現場の声」を集めることが大切です。
- 柔軟性を見せる:外資系企業は環境変化が多いことが特徴です。
日系企業に転職したあとも「柔軟に環境適応できる人材」と見られるように、選考中のやり取りでも柔軟性を示していきましょう。
- 自分のキャリアビジョンを明確に描く:目先の年収だけを見ればダウンするケースの方が多いでしょう。
しかし、数年後のキャリアビジョンを描き、それに合致する企業を選ぶことができれば結果はついてきます。
【FAQ】外資系企業から日系転職者へのよくある質問
- 給与はどのくらい下がる覚悟が必要?
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一般的に10%以上のダウンは見込むべきですが、ポジションや企業(業界)によっては維持・アップも可能です。特に20代~30代の若いうちは重宝されやすいので狙い目と言えるでしょう。
- 外資系企業の経歴は日系でどう評価される?
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そもそもの期待値が高いです。「即戦力」と見なされるため、入社後すぐの貢献が求められる傾向があります。
- 面接で重視されるポイントは?
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スキル以上に「カルチャーフィット」が見られます。協調性や、チームで働くことへの適応力は必須です。
- 英語力は必要ですか?
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日系企業でグローバル案件を扱う場合は歓迎されますが、必須ではない場合が圧倒的に多いです。正直なところ、ポジションや企業(業界)により異なります。
まとめ
外資系から日系企業への転職は、単なる環境の移動ではなく「働き方・価値観の大転換」です。
外資系企業での勤務実績は強みですが、それ以上に大事なのは新しい環境に適応し、長期的なキャリアを描く意志です。
本記事があなたの「次の一歩」の参考になれば幸いです。
ぜひ焦らず、自分にとって本当に納得できるキャリアを見つけてください。
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